約一ヶ月ぶりのブログ記事の更新となる。
公私に忙しく、なかなか投稿できない日々が続いていたが、少し時間ができたので再開したい。今回は、先日発表された令和7年度経済産業省予算概算要求について、サマリと中小企業支援に関して気になった点について触れたいと思う。

■「令和7年度概算要求・税制改正要望について」(経済産業省)
 https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2025/index.html

経産省の概算要求とは?

 まず、経産省の「概算要求」について簡単に説明すると、各省庁が次年度の予算案を財務省に提出する際の、予算の見積もりのことである。通常、8月末に行われ、その後の調整を経て、年末に政府案として決定される。つまり、概算要求は来年度の政策の方向性を示す重要な指標といえる。
したがって、それを理解しておくことで国としての注力傾向や補助金としての展開を通じて企業側への投資促進へつながる話でもあるので、把握しておくことは重要である。

 特に2024年6月と7月の実質賃金が27ヶ月ぶりにプラスに転化したが、夏の賞与等の影響もあると噂されており、予断は許さない状況である。よって、引き続き日本のデフレーションの脱却を確実にするには、政府による財政出動は必須となる。そして、それには需要が期待される分野に適切に配分される必要がある。

過去最大規模、そして7つの重点テーマ

まず、今回の概算要求について、最近よく使用しているAIツール「mapify」にて可視化した結果が下記である。

出典:筆者が「Mapify」にて作成

※なお、画像が見難い場合はこちらから直接参照のこと。
 https://mapify.so/share-link/XKcLgcHyhs

今回の令和7年度の経済産業省の予算概算要求は、前年度比24%増」の2兆3596億円と過去最大の金額となっている。これは、日本経済の再生と社会課題の解決に向けた経産省の意思の表れと考えてもよいだろう。

この予算要求の内訳は、以下の7つの重点テーマに基づいている:

  1. 国内投資拡大と対日投資の拡大
  2. イノベーション・新陳代謝の加速
  3. 国民の所得向上
  4. GXの実現とエネルギー安定供給の確保
  5. 経済安全保障の確保
  6. 大阪・関西万博
  7. 経済社会の基盤を支える最重要課題

その中から特に企業活動に関係のある項目3点について取り上げようと思う。

特徴1: GXへの対応

GX(グリーントランスフォーメーション)推進対策費として9818億円(前年度比52%増)が予定されいる。
前年から大幅に増加しており、ますますGXにおける重要性は高まりつつある。具体的な施策は以下の通りである。

  • 省エネ投資の推進
    企業の省エネ設備への投資を促進するため、補助金や税制優遇措置を拡充する。
  • 脱炭素エネルギーの供給拡大
    太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーの導入を支援するほか、水素・アンモニアなどの次世代エネルギーの技術開発や社会実装を加速する。
  • 産業構造の転換
    製造業におけるCO2排出量削減や、水素還元製鉄など、革新的な技術開発を支援する。

特に日本政府は2050年のカーボンニュートラル達成に向けた中間目標として、2040年までを目標に「GX2040ビジョン」も掲げている。したがって、国の長期的なGXへのビジョンとの足並みをそろえた施策が進められつつある。

■GX2040ビジョン:
 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/dai12/siryou1.pdf

出典:筆者が「Mapify」にて上記資料から作成

※上記画像が見難い場合はこちらを参照:
 https://mapify.so/share-link/f0dzys7uR9

特徴2:中小企業支援策の充実

次に中小企業対策費である。1300億円(前年度比21.8億円増)が計上されており、こちらも中小企業への支援の加速に向けた取り組みが、計画されている。

  • 資金繰り支援の拡充
    融資制度の拡充や金利負担の軽減により、事業資金の調達のしやすさを向上
  • 事業承継支援の強化
    後継者不足に悩む中小企業に対し、事業承継を円滑に進めるための専門家派遣や補助金制度を拡充
  • デジタル化支援
    デジタル技術の導入による生産性向上を支援するため、ITツール導入補助金や専門家派遣などを拡充

 これにより、物価高騰のなか価格転嫁の強化策や人手不足対策として生産性向上の促進により、中小企業の賃上げをと経済全体の底上げを目指す方向となる。
 しかし、一方で、中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金は、令和5年度補正予算から大幅に減額されており、これは、事業規模の精査や効果検証などを踏まえた結果と見られるが、今後の動向が注目される。

特徴3. 経済安全保障への対応

近年注目されている経済安全保障についても、78億円の予算が計上されている。

  • サイバーセキュリティ対策の強化
    サイバー攻撃から重要なインフラや企業を守るため、対策ソフトの導入や人材育成を支援
  • サプライチェーンの強靭化
    特定の国に依存したサプライチェーンを見直し、国内生産体制の強化や調達先の多角化などを支援
  • 技術流出防止
    機微技術の流出を防ぐため、輸出管理の強化や、企業における情報管理体制の強化を支援

特に近年、サイバー攻撃の脅威や国際的な技術競争の激化など、経済安全保障の重要性が高まっている。その中でも産業サイバーセキュリティ対策の強化に向けた環境整備事業は、重要インフラや企業活動を守るため重要度が高まりつつあるという方向性である。

概算要求の明細

これら概算要求の概要を記載したが、具体的な事業内容の明細は下記の資料に記載されている。
より詳細を確認したい場合は、こちらを参照することをお勧めする。

■経済産業省関係令和7年度概算要求の事業概要(PR資料:一般会計)
 https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2025/pr/pdf/pr_ippan.pdf

まとめ

R7年度の経済産業省予算概算要求は、7つの重点テーマを軸に、中小企業にとって大きなチャンスとなる可能性を秘めている。GXやデジタル化、経済安全保障といった新しい課題に対応しつつ、従来からの課題である資金繰りや事業承継にも手厚い支援が予定されている。

 当該内容は今後企業における事業の方向性を考える上でも重要な情報であるため、今後のビジネスチャンスの獲得や補助金等の投資の機会獲得に向け、考えるきっかけになれば幸いである。

以上

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onda.masashi@gmail.com

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