日本のデータセンター増加と国際戦略
日本のデータセンター市場の増加
本日は日本のデータセンター市場について記載する。
日本のデータセンター事業の市場規模(売上高)は現在増加している。2022年に2兆275億円となり、その後2026年には市場規模は3兆2,083億円となると予測されている。

https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd236700.html
理由としては、やはりChatGPT等に代表される生成AIの存在であり、堅調に市場が拡大しているため、それに伴い処理するハードウェアが必要となるためである。確かに、最近は動画の自動生成などの技術も活発になってきており、これまで以上に大量のデータを扱うことが当たり前になりつつある。
日本に作る理由
当然日本でこのようなデジタルの市場が伸びれば、それに伴いデータセンターも必要となる。その際、海外に設置するとウクライナ情勢といった地政学的リスクや、中国などではデータ漏洩等のセキュリティリスクもあるため、日本内での設置を優先する傾向がある。システムの話になるが、海外のデータセンターを使用した場合は、日本との通信を行う際に通信ラグが発生する。高速なネットワーク回線といえども、ユーザーレスポンスがコンマ数秒遅延する(レイテンシーと呼ぶ)などの影響も発生する。
リスクへの対応
ただ、日本国内で設置する場合は、やはり地震などの災害リスクが気になる方も多いだろう。
私も現在南海トラフの可能性など言われている中で、企業側はリスクをどう見ているのか気になっている。正直、それに対する解は得られていないのだが、以下の対策は取られているようである。
1.立地面
立地については、地盤が強くしっかりした地域を選択しているようである。
たとえば、千葉県の印西市などに多く設置されているようだが(ちなみに設置場所は通常はシークレット)、印西市は下総台地の上にあり、断層なども無く、そういった安全な場所が選ばれているようである。また、当然、設置場所も日本全国に点在させリスクを分散させている。
2.ネットワーク回線
それ以外の点としては、ネットワーク回線の切断などのリスクも考えられる。
こちらについては、例えば、ネットワークを網目や冗長とすることで代替経路を確保したり、地中深くにケーブルを設置したり、データを複数箇所へ分散し保存することで対策が取られている。
消費電力との関係
次に気になるのは、消費電力量である。
電力中央研究所の試算だと、これにより、日本の電力消費が2050年は2021年と比較し最大37%増えると予測している。これは、データセンターの増加だけで国内全電力の4割近くが増加するというのだから相当なものである。
これら電力を賄うためには当然、電力発電を行う必要があるわけであり、原発再稼働を行うのかどうするのかといった議論にも影響してくるだろう。
なお、日本としては2050年に温暖化ガスの排出量ゼロとするカーボンニュートラルの実現を目指している。その前提は、消費電力量が今と変わらない想定で策定されたものであり、今回の見通しはある意味想定外といえる。
省エネへの対策

一方で、消費電力増加に対し対策となる技術も出てきている。
現在NTTが主導している「IOWN(アイオウン)」と呼ばれる光技術を使用した通信技術が普及すれば、通信機器間の消費電力を抑えらえることが期待されている。
他には、「ペロブスカイト太陽電池」は、太陽電池の新たな技術としてペーパー上に薄く且つ軽量化できるため、柱に巻き付けたり窓ガラスに貼ったりすることで、設置場所を増やせ結果として発電量を増やすことが可能である。
住宅においても、「ZEH(ゼッチ)」(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)と呼ばれる取り組みが行われており、省エネ+創エネにより、消費電力がゼロとなる住宅化が進められており、2050年の新築はすべてこれになる方針で進められている。
このような、いくつかのイノベーションとなる技術が出てきているが、これらが世界のデファクトスタンダードを獲得できないとなかなか普及は難しいともいえる。
こうした形で、データセンターの増加から、電力消費量の増加とそれに対するイノベーションの機会や期待といったものが色々と見えてきた。また、それら省エネの施策については、日本としてのGDP向上に向けても寄与する技術であるため、なおさら成功に向けて期待したい。
投稿者
onda.masashi@gmail.com