外国人労働力と日本の経済
日本の人手不足
2024年4月になり、いわゆる「2024年問題」と呼ばれる、物流業界の残業上限の規制が始まった。
これまでドライバーなど時間給の高くない労働者は、残業で生活水準を維持していたがそれもできなくなり、日本全体の当該分野における労働力不足が加速しつつある。
それに対し、積載率向上やモーダルシフトや中継輸送などといった手立てを各企業は行い、労働力の不足を生産性の向上で補おうとしているが、すぐに効果が出るとは限らない。
物流業界に限らず、日本の少子高齢化は加速の一途をたどるため、あらゆる産業において労働力不足は深刻な問題となる。
そこで、外国人の労働力を活用するため、外国人技能実習生や特定技能などの政府による就労ビザが用意されており、不足する労働力を補うことが期待される。
特定技能2号について
外国人技能実習生については、現在は企業を転籍できない問題や、単純労働力としかみなされていない状況から「育成就労」という名称で今後新たに制度が刷新される予定である。
それにより外国人労働力の環境改善が進み、労働者の定着や日本のイメージアップなどによる効果が見られると考える。
それ以外には特定技能制度がある。より高度で専門性の高い人材を対象とする就労ビザである。
1号と2号に分かれており、1号は現在21万人が就労している。先日、「2024年問題」への対処のため、自動車運送業、鉄道、林業、木材産業の4分野を対象に追加し、今後5年間における受入枠が82万人に拡大された。このように、労働力減少への手立ても講じられている。
一方2号については、現在37人しか存在しないという。
2号はさらに高度な技術レベルが求められ取得へのハードルは上がるが、1号との違いは、1号は最長5年までの在日期間だが、2号は無期限となる。また、家族などを呼ぶことも可能となる。
今後、少子化や労働力不足は長期的な視点で考えた場合、外国人労働力を長期的に雇用できる土壌とする方向で考えことが、日本のリスクへの対処としては正しい。
長期的に定住しやすい環境が作れれば、日本へのイメージアップによりインバウンドの更なる増加にもつながる可能性がある。また、現在の為替水準も今後円高になれば、日本に定住することを選択する外国人も増えることは間違いない。
したがって、政府は外国人技能実習生(育成就労)からスムーズに特定技能1号および2号に移行できるような仕組みづくりを期待したい。
こうした開国への風潮に賛同しにくい国民がいるのも承知している。たとえば、自分たちの仕事がなくなると危機を感じる日本人労働者もいるだろう。
しかし、日本のGDPが増えることで、国内企業の収益性や利益が増え、その結果、国民への賃金上昇という形で還元されるという好循環の発生を考えると、必ずしも忌避することではない。
このような形で特定技能2号について、拡大する方向で政府は検討いただきたい。
投稿者
onda.masashi@gmail.com