中小企業白書2024の概要(その②)
昨日に続き中小企業白書2024年 概要版について見てみる。
小規模事業者の8割も支援機関を利用!?
白書の報告では、「小規模事業者の8割が以下のいずれかの支援機関を利用している」とのことである。
- 商工会・商工会議所
- よろず支援拠点
- 金融機関
- 税・法務関係士業・中小企業診断士・コンサルタント等の認定支援機関
単純に感想として、かなり多い印象である。まったく前提知識がなかったのもあるが、感覚的には4割くらいかと思っていた。ただ、金融機関などや商工会・商工会議所は登記や創業時に関わった流れでコネクションができたためで、純粋な経営改善の相談という意味ではもう少し少ないのかもしれない。
概ね、企業の社長はプライドを持って経営を行っている人が多いはずであり、普段から支援を求めるという企業はあまり無いのではないか、という点もその前提としてある。
私としてはちゃんと「本当に支援を必要としている企業で、支援の手が行き届いていない企業はどの程度あるのか」ということは知っておきたい。自分自身の集客に向けた前提知識ということもあるが、診断士自体の母数の妥当性についても興味があるので。
支援人員は不足している?
白書の別の報告では、支援機関側の課題として「支援人員の不足」と「支援ノウハウ・知見の不足」が挙げられている。これは、相談に訪れた企業に対し、実際に支援できる人材をマッチングすることができていないということである。
企業の業種の特性や相談内容によっては、専門性が足りずアサインできないのか(たとえばM&Aや事業承継に特化した人材がいないのか)、最初の診断レベルから対応できる人材がいないのかはここからは判断できなかった。それについては、正式版白書で確認しようと思う。
いずれにしろ、支援できる人材の絶対数の増加とスキルの拡充が求められているには変わりない。診断士の絶対数を増やすにも現在の試験制度だと採点業務がボトルネックとなっていたり、改善しないとならない点も多々ある。
採用もそうだが、採用後の継続的な活動ができているかもチェックする必要がある。特に、予備校講師に終始している診断士や、取ったは良いが使わずに寝かせている診断士なども一定数居る。以下は実際に統計を取った結果であるが、約35%の診断士は診断活動を行っていない。

「問14.現在,あなたはコンサルティング業務(副業等を含む)を行っていますか。行っている場合は,何年が経過していますか。」
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.j-smeca.jp/attach/article/news-bessatsu_16.pdf
あとは、大企業内にいる企業内診断士もやはりフルタイムで活躍しているプロコンに比べると、世の中の中小企業への貢献度という意味では低いと思っている。
日本のGDPを高めるためには

昨日の以下の投稿で「欧米並みのGDPを目指すには生産性の劇的な向上が必要」の旨記した。
仮に支援に来れていない企業が多く、且つ、支援の依頼に来ても支援できる人材不足で支援ができていないのであれば、もったいない。何らか抜本的な変化が必要と思われる。
マーケティングではプル型での集客が注目されているが、本件に関してはプッシュ型で極力多くの企業に対し伴走的な支援をするなどの手厚さもある意味アリなのかもしれない。
いずれにしろ、まずは診断士の知名度を上げるという点も必要なので、内閣府の成長戦略会議でも議論を進めていただきたいと思っている。
投稿者
onda.masashi@gmail.com