中小企業白書2024の概要(その①)
今日は先日公開された2024年版中小企業白書の概要について記載する。
主要な課題テーマ
見出しとしては以下となっている。
【テーマ① 】 令和6年能登半島地震の影響
【テーマ② 】 新型コロナウイルス感染症の振り返り
【テーマ③ 】 足下における現状認識
【テーマ④ 】 人手不足
【テーマ⑤ 】 賃上げ
【テーマ⑥ 】 省力化投資と生産性の向上
【テーマ⑦ 】 海外需要と日本企業の決算状況
【テーマ⑧ 】 価格転嫁
【テーマ⑨ 】 事業承継
【テーマ⑩ 】 経営改善・再生支援
感想としては、昨今の中小企業を取り巻く問題・課題が挙げられており、さほど注意を引くような内容は見られなかったが、その中でも特記事項を挙げてみる。
人材不足と生産性の向上
やはり、大きな課題としては、需要回復による人材難に対し、人材育成やIT投資等による生産性の向上や外国人労働者の活用等が引き続き求められる。特に生産性は、OECDの中でも低く格差が見られる。GDPと生産性は正の相関があるため、GDPを高めるには、この一人当たりの生産性を高めることが重要となる。そして、これまでの延長線上での成長速度では不十分であり、何らか劇的な高次学習に近いような変化がないと、米国に追いつくのは難しいらしい。

物価高騰と賃上げの実現

円安や材料費高騰によるコスト増加に対しては、販売価格への転嫁を促進することと、それにより賃上げへつなげることで、持続的なインフレを目指していく必要がある。
春闘で大手が軒並み5%以上の賃上げを決定し、中小もそれに続かないとならない風潮もあるが、実態に合わせた対応が重要である。特に現在は、円安による輸出が好調なことや半導体需要が好調なため、中小よりは大手がその恩恵を大きく受けている。したがって、メディアも含めて賃上げ圧力が全体的に高まっているのは少し気になっている。
そういった意味で、先日の実務補習では「第3の賃上げ」なるものも提案した。これは、会社が社員の生活費や家賃などをあらかじめ会社が給与から天引きすることで、社員の所得税を減らし賃上げと同等の効果を得るというものである。国の税収は減る側面はあるが、その分は大手から徴収すればよいと思う。
なお、これまで話してきたのは名目賃金の話である。実質賃金に換算すると、日本はずっとマイナスで推移しているとのことである。つまり、今はまだ見せかけの賃金アップということなので、勘違いしない方が良い。しかし、今後、物価の高騰が落ち着いてきたら賃金の方が追い付いてくるため、プラスに転ずるのではと見られているようなので、日銀には金利を上げるのはもう少し待ってもらい確実に実現していきたい。
投稿者
onda.masashi@gmail.com